色々

色々やる所

昼休憩の華麗なる過ごし方

今年の10月にSNOW PEAKのチタンクッカーを買って以来、昼休憩中に調理する機会が増えた。しかし週の大半は炊飯のみ。米にレトルトカレーという安易な組み合わせが連日繰り返され、もはや調理とは言えぬ醜態に、私の人生は2015年で終焉を迎えるのではないかと脳内で囁かれ始めたのは今に始まった事ではなかった。

休憩時間の調理は、普段の生活で自炊をしない私にとっては苛酷の一途を極める難行といえる。調理後、下手をすれば食べる為に残された時間は僅か5分という事も。連日この様な苦行をやるのはさすがにキツい。

だがしかし、半分ネタでやっているつもりだったのに、気がつけば仕事以上に取り組んでいる始末。部下からは「仕事もそれと同じくらい熱心に取り組んでもらえたら助かるんですけどね」などと言われたとか言われないとか…

と言う事で、今日もやってきました昼休み。そろそろレトルトカレーにも飽きて来たので、まともなカレーを作ってみる事にする。

今回用意した材料がこちら。肉、スパイスなど、前日に用意出来るものはしておいた。 f:id:eyezonly:20151221181348j:image

今回使ったスパイス群。開封しながらそれぞれを味見してみたが、どれもこれも単品では何のこっちゃ分からない奇妙な風味だった。ブレンドして美味しく使おうと考えたインド人の発想にびっくり。f:id:eyezonly:20151220185825j:plain

混ぜる。見た目も香りもS&Bとかのカレー粉っぽい色になってきた。 f:id:eyezonly:20151220185820j:plain

スパイスってのは全てパウダー状なのかと思ったら、いくつかはこの様なタネっぽい状態で入っていた。f:id:eyezonly:20151220185831j:plain

レンゲですり潰しながら混ぜる。調剤士みたいな作業が新鮮で楽しいよねーと自分に言聞かせつつ、退屈な作業を経てなんとか完成。

完成したスパイスを入れる容器が見当たらなかったので、とりあえずこれに入れる事にした。よりによってこれか…普通のカレー粉でも良かったのでは…f:id:eyezonly:20151220185818j:plain

肉は、火の通りが良くなる様に細切れにした。これに作ったスパイスを少々、そしてヨーグルトを入れて混ぜる。 こうするとうまくなるらしいが。f:id:eyezonly:20151220185827j:plain

一晩寝かせると味が変わるのだろうか… f:id:eyezonly:20151220185816j:plain

トマト缶を約半分用意し、湯がいておいた三度豆を入れた。三度豆って、サンド豆かと思っていたら三度豆だった。何が三度なのか。f:id:eyezonly:20151221181515j:plain

という事で、ここからやっと昼休みの作業に入る。まずは米を炊く。

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油を引き、ニンニクを投入。黒く見えるのはチャツネ。チャツネは後で入れようと思っていたのにちょっとだけ入れてしまった。まずはこれを炒める。 f:id:eyezonly:20151221181455j:image

ニンニクの色が変わったくらいで肉を投入。油の量が少ない様に見えるけど大丈夫。チタンでも肉はちゃんと焼けるんです。 f:id:eyezonly:20151221181546j:plain

肉から出る油と肉汁を上手く利用して、焦げない様に様子を見ながら加熱を続ける。f:id:eyezonly:20151221181554j:image

肉にある程度火が通ったら、スパイス、トマト缶、塩、固形スープ、水を投入。 f:id:eyezonly:20151221181606j:image

数分間の灼熱という荒行を経て獲得した黄金のトロみ。f:id:eyezonly:20151221181623j:image

遂に完成!! と勢い良く言ったはいいが、思った程のインパクトは無い…f:id:eyezonly:20151221181640j:image

盛りつける。やっとカレーらしくなった。皿が放つ金属光沢が実にインドっぽくてメタリック。米は火にかける前にターメリックを入れた。f:id:eyezonly:20151221181655j:image

一時は、市販のカレー粉や固形ルーでも良かったのではと思っていたのだが、一口食べた瞬間、それが全くの誤りである事がよくわかった。

自分で調合したからこそ、より一層強く感じるスパイスの奥深さ。そして肉と野菜の旨味と香り、これらを優しく包み込んだスープがサラサラと喉に流れ込む。優しく、そして時に激しく。母なるガンジス川の様に口から喉へと流れ込むカレーを、私は存分に堪能した。いや、もはや泳いだと言った方が適切だろう。

「嗚呼、なんと贅沢な昼休憩だ…」

気がつけば、私はインドを旅していた。美味なるカレーを求めて遥々やってきたのだ。三蔵法師がシルクロードを渡って天竺を目指したのも、きっと美味いカレーが食べたいからやろ、きっとそうやで。カレー美味いもん。そんな事を思いながら、自画自賛の激ウマチキンカレーを夢中で食べ続けた。

そう、あれは確か、私がガンジス川の対岸に辿り着こうとした頃だ。「カーン、カーン」という奇妙な音が鳴り響くと同時に、50分間のインド旅行が幕を閉じた。

「なんだ、職場かよ」

天国から現実世界に戻された私は、仕方なく午後からの仕事に取りかかった。